晴れた日の昼間に公園に行くと、自分の足で元気に歩いている高齢者をよく見ます。歳を重ねるにつれて身体機能は衰えるものですが、可能な限り元気に長生きしたい、ということは誰もが考えています。そのため、若い頃から継続的に運動をして日々の生活に気を遣い、老後も健康でいられるように努力している方もたくさんいます。しかし、その全ての方が冒頭で紹介した高齢者のように元気でいられるわけではありません。日常的に体を動かしていても、生活に気を遣っていても、些細なことがきっかけで介護が必要になる、それが高齢者です。
例えば、若い方ならばなんてことない転倒。これが高齢者だと骨折のリスクが高いです。さらに、高齢者の骨折はその後の生活にも影響しやすく、場合によっては一生介護が必要になる可能性も否めません。
いつまでも元気でいられることは理想ですが、いざという時のことを考える必要はあります。いざ介護が必要になった時、適切な支援を受けられるように準備をしておかなければなりません。
公的介護保険加入者が受けられる公的サービスの種類
通常、日本国民は40歳を過ぎると、全員が公的介護保険に加入します。それによって、介護が必要になった時に、自治体が提供する介護サービスを受けられるようになるのです。
公的介護保険への加入で受けられるサービスは、大きく3種類に分けられます。
■居宅介護サービス
自宅で受ける訪問サービスと、施設に通って受ける通所サービス、短期的に施設に宿泊して受ける短期入居サービスの3つに分かれます。主な住まいが自宅である点が施設介護サービスと異なります。
■施設介護サービス
特別養護老人ホームに代表される介護保険施設に入居し、食事や入浴、排せつ支援などのサービスを受けます。有料老人ホームよりも安い費用で入居できます。多くの高齢者が利用を望んでいるため、長いと数ヶ月の入居待ちが発生するのが難点です。
■地域密着型サービス
2006年4月から新しく提供されるようになった介護保険サービスです。住み慣れた地域でサービスを受けられるので、高齢者の心的負担が少ないという利点があります。市町村が業者の指定や監督をし、地域に沿ったサービスを提供します。
公的介護保険のサービスを受けるためには、審査や要介護度の認定、ケアプランの作成など、いくつかの手順を踏まなければなりません。だからこそ個々に合ったサービスが分かり、適切なサービスを受けられるとも考えられます。
しかし、公的介護保険によって受けられるサービスは料金設定が低めであるため、多くの高齢者が利用します。特に、前述したように施設への入居には長期間の入居待ち期間が発生するほどです。施設介護サービスの利用を望む方は、早めに行動しなければなりません。